【食文化】
「鮭トバ」なる珍味をいただきました。
酒の肴に軽く炙って食べるのですが酒を呑まない私はごはんのお供にと・・・これがまた途轍もなく旨い!鮭を寒風に晒して干し軽く燻製した保存食です。鮭なのにほんのり甘みがあって美味。
実は、先日からイタリア料理の「ニョッキ」作りに夢中になっている私ですが、昨夜の「鮭トバ」を食したときに同じ思いが込み上げてきたのです。
「ニョッキ」は蒸したジャガイモやサツマイモ、南京などを粗く裏ごし・・・というよか潰して粉を混ぜ棒状にし、チョンチョンと3cm前後に切り冷凍させたものを熱湯で湯がきソースに絡めていただくものですが、作り乍ら、いつも思います。これは日本の「そばがき」や「すいとん」みたいなカンジかな・・・って。
きっと、何もない時代に身近にある食材を美味しく食べる工夫をしているうちにできたのでしょうね。
「ニョッキ」を作るときは、小さな木でできたドアの横にすわり、ジャガイモの皮むきをしている、陽気なイタリア人のお母さんの姿が浮かびます。「そばがき」を作るときも腰の曲がったおばあさんが囲炉裏端でそば粉に湯を混ぜている姿を想像します。「鮭トバ」を食べながら、寒い日にアイヌのお父さんが捕ってきた鮭を下ろしているお母さんや、それを家族みんなで干している姿が浮かびました。家族にとってはとても大事な保存食。そう思うと、食べながら涙が出てきました。
そこで、それぞれの国の「食文化」を理解すること。
これがまさに「スローフード」の原点なのだと気づきました。
この「スローフード」のお話は次回の宿題にしたいと思います。
○○文化、××文化、△△文化と今まで私はいろんな文章の中でこの単語をよく使ってきました。が、その背景も想像だにせずよく使ってきたものだと、今、冷や汗を出しています・・・。

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